日々のニュースの感想を中心にいろいろ書いています。毒舌が多めなのは仕様です。"シム宇宙" についてはプロフィールを参照。
「ナトリウム粉を口に」 って、それ何てびっくり人間?
2007-03-21 Wed 14:11
【中国】有害ナトリウムで着色、「染色キグチ」に注意喚起―江蘇省連雲港市の魚市場で調査 [03/20]

2007年3月19日、江蘇省連雲港市工商局の職員が、市内の連雲、新浦などの魚市場に出向き、突撃調査を開始した。これは「染色キグチ」が流通する現状をくい止めるために実施されたもので、職員は「染色キグチ420kg」を発見、その場で押収した。

通常、新鮮なキグチは黄色で、時間の経過とともに白く変色していく。そのため、悪質な魚類販売業者の手によって、白くなったキグチが黄色に染色されるのだ。今回押収した「染色キグチ」の検査により、使用されていた黄色の着色剤は、工業用ナトリウム粉ということが判明。検査係員は「政府はナトリウム粉の着色剤使用を明確に禁止している」と話し、ナトリウム粉を口にすると、人体に悪質な害をもたらすと説明する。


ナトリウム吹いたwww

いやあの、ナトリウム粉を口にしたらそりゃ大変なことになりますが、それ以前に着色剤として使おうとして魚に振りかけた時点で水と反応して水素が出て大事です。場合によっては爆発しますよ。命がけで着色ですか?

そもそも、ナトリウムで着色って何事でしょう? 金属ナトリウムは銀色ですし、ナトリウムイオンも無色です。このニュース、何かおかしいですよね。

中国語のニュースをざっと見て、使用された物質がこちらであることが分かりました。化学式は Na4Fe(CN)6・10H2O なので、これなら納得です。黄色い色の原因となっているのはナトリウムイオンではなく、ヘキサシアノ鉄 (II) 酸イオンだということですね。

他国のニュースを訳して報道していただいている事についてはありがたいとは思いますが、ウソを報道することの無いように、科学用語はちゃんと調べていただきたいものです。
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お知らせ
2007-03-21 Wed 13:35
ご無沙汰です。書いてたエントリをボツにせざるをえなくなったり、blog更新用の回線の使用期限が切れたり、とトラブル続きでしたので、しばし放置してしまいました。すみません。新回線で復帰いたしましたので、更新再開させていただきます。コメントへのレスはもう少しお待ちください。

ついでにお知らせですが、この4月頭からしばらくの間、blogをどの程度更新できるか全く予想できません。おそらく、ちょっと更新頻度は落ちつつも普通に続けられると思いますが、もし更新がぱったり途絶えても、私の身に何かあったわけではない (と思います) ので、気長にお待ちください。6月ごろには落ち着くはずです。
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あれ、アボガドロ定数っていくつでしたっけ?
2007-03-03 Sat 13:52
2エントリ連続で弾さんのとこからネタを拾うことになった、という当blogのワンパターンっぷりにはご容赦を。

404 Blog Not Found:書評 - 水はなんにも知らないよ

面白かった。少なくとも 水からの伝言の6.0221415 × 1023倍は面白い本だと思う。


エントリ本文についても何か書いてみたい気はするのですが、とりあえず本文に入る前にひっかかりを覚えてしまいました。アボガドロ定数ってこんな値でしたっけ?

私の頭にあったのは理化学辞典のこの値です。

アボガドロ定数.質量数12の炭素の同位体12Cの12g中に含まれる炭素原子の数.6.0221367(±0.0000036)×1023mol-1の値をもつ.


こちらでは小数点以下5桁目からの値が367であるのに対し、対する弾さんの値は415。理化学辞典の値の誤差範囲からもはみ出しています。気になったのでWikipediaで調べてみると、どうやら科学技術データ委員会が現在推奨している値のようですね。今後は私も新しい値を使うようにします。


Wikipediaの最後の項目にも示されていますが、アボガドロ定数といえば、最近はキログラム原器にかわる質量の基準としても注目されています。お勧めとして最近読んだこちらの記事をご紹介。

日経サイエンス2007年3月号:さらばキログラム原器

原器という人工の物体に頼った「キログラム」の定義はもはや時代遅れだ。不変の自然定数に基づいて質量を高精度で定義し直す試みが進んでいる。

過去100年以上にわたり,質量の基本単位はパリ郊外,国際度量衡局(BIPM)の小さな研究室に保管されている「国際キログラム原器」によって定義されてきた。白金とイリジウムの合金で精密に作られた円柱は高さと直径がともに39mmで,国際単位系(SI)によれば,この質量が「1キログラム」の定義だ。

しかし,実際には国際原器そのものの質量が時とともに変動していることがわかっている。国際原器を同時期に作られた他の質量標準器と比較した相対変化や,質量に関連する基本定数の新旧の測定値を解析した結果から,過去100年間で50μg以上の増減があったとみられる。空気中の不純物が原器にくっついて蓄積したり,原器が摩滅したりといった原因が考えられる。

基本単位が時とともに変動しないよう保証することは非常に重要だ。質量についても自然界の基本的な性質に基づく新たな定義に改める必要がある。2つの方法が考えられている。「アボガドロ定数」の考え方に基づく方法と,「プランク定数」に関連する方法だ。


私なんかが劣化コピーをしたためるよりは、図書館で日経サイエンス本誌を参照していただきたいた方が6.0221415×1023倍は正確ですので、ぜひご覧ください。なお、上記記事の内容の半分 (アボガドロ定数に関する部分) は↓これらとほぼ同じです。日経サイエンスほど分かり易くはありませんが、図書館に足を運ぶ時間の無い方のために紹介させていただきます。

アボガドロ定数はどこまで求まっているか (PDFにつき注意!!)

産総研 TODAY [広報誌] VOL.4 No.4:アボガドロ定数の高精度化に成功
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Sleipnir + UserAction Extension で、はてなブックマークコメントを表示 (α ver.)
2007-03-02 Fri 00:00
サスケット さんの↓こちらに触発されて、作ってみました。

ひたすら無題 Ver2.0 | “Sleipnir+SeaHorseで全サイトはてブ化”をできるようにした

私は Sleipnir 使いなのですが、最近はてなブックマークを使い始めたので、以下の SeaHorse スクリプトを導入。はてなブックマークの情報がページの下に出てくる。


個人的趣味で、ページの下部のかわりにアウトプットに表示されるようにしてみました。まだまだ改良の余地はありまくり (数回に1回は取得に失敗しますw。多分サスケットさんが行った修正と同様の方法で治るのだと思うのですが……) ですが、久々のプログラミングで疲れたので、今日はここまでにしておきます。




var MAXCOMMENTNUM = 30;
var HATENAIDLEN = 17;
var PROXY = "http://b.hatena.ne.jp/entry/json/?url="

function checkStatus()
{
if ((httpObj.readyState == 4) && (httpObj.status == 200))
{
displayData();
}
}

function displayData()
{
var data = eval("("+httpObj.responseText+")");

if (data && data.count > 0)
{
sleipnir.API.OutputAddString("■" + data.count + "user");

bm = data.bookmarks;
intCommentNum = 0;
strComment = ""

for (i=0; i < bm.length; i++)
{
if (intCommentNum >= MAXCOMMENTNUM)
{
sleipnir.API.OutputAddString("more...");
break;
}
if (bm[i].comment)
{
strComment = "";
strComment += bm[i].user + " ";
strComment = strComment.slice(0, HATENAIDLEN);
strComment += bm[i].comment;

sleipnir.API.OutputAddString(strComment);
intCommentNum++;
}
}
sleipnir.API.OutputCurSel = 0;

}else{
sleipnir.API.OutputAddString("■0user");
}
}

var blnCalled = false;
sleipnir.API.OutputClear();
sleipnir.API.OutputVisible = true;

if (_document != null && blnCalled != true)
{
if (self.location.href == top.location.href)
{
blnCalled = true;
var uri = top.location.href;

httpObj = new ActiveXObject("Msxml2.XMLHTTP");
httpObj.onreadystatechange = checkStatus;
httpObj.open("GET", PROXY + escape(uri), true);
httpObj.send(null);
}
}




と、このようになんとなくプログラムっぽい出来にはなっているように見えないこともありませんが、見かけにだまされてはいけません。弾さん風に表現するなら、弾さんが、

404 Blog Not Found:プロ^2グラマーは社交が8割

趣味でプログラムをするシュミグラマーや、本職は別にあって、たまにプログラムするタマグラマーはとにかく、プログラミングそのものを職にしているプロプログラマー(以下プロ^2グラマー)の業務の8割は、実はプログラムを書く事ではない。


の 『プロ^2グラマー』 であるのに対し、私は 『あま^3グラマー (詰めが甘々アマチュアプログラマー)』 なので、何が起こるか分かりません。ご注意を。また、「とてもじゃないが酷くて見てらんない」 とお考えの皆様には、ぜひいろいろとご教示いただきたく存じます。

具体的な使用法は、αを取ってもいいかな、と思った頃に書きます。今は参考リンクだけ示させていただきます。

■参考
kaz::hatena - Sleipnir+SeaHorseで全サイトはてブ化v3
第二章 プログラムを作って体験しよう:Internet Explorerの場合のデータの受け取り方

UserAction Extension|タブブラウザ Sleipnir プラグイン|Fenrir Extensions Center
タブブラウザ Sleipnir オンラインデータベース(Sleipnir.API リファレンス)
タブブラウザ Sleipnir オンラインデータベース(組み込みスクリプトの書き方)
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自然科学の論文を捏造しようとする心理が分からない
2007-02-28 Wed 02:06
少し前のニュースになりますが、本日はこちらを。

【論文】万能細胞の論文に「重大不備」 02年ネイチャー誌掲載

 論文は、キャサリン・バーファイリー博士らが執筆し、英科学誌ネイチャーに掲載された。ネズミから取り出した幹細胞が、脳、心臓、肺、肝臓などの細胞に育つ能力があることが確認できたとしていた。
 しかし、同大の専門家委員会は、育った細胞を確認する過程に問題があり、そのデータに基づく論文の解釈は正しくない可能性があるとした。ただし、捏造(ねつぞう)ではなくミスだとしている。
 骨髄の幹細胞は、一部の細胞に変化し育つ能力が知られていたものの、万能細胞のように働くとはわかっておらず、同博士らの論文は、再生医療につながる成果として、当時注目されていた。
 しかし「同じ結果が再現されない」などの疑問が他の研究者から出ていた。英科学誌ニューサイエンティストが、同博士が別の論文に使った別の細胞の研究データと同じものが論文中にあると指摘。今回の問題が発覚した。


論文はこれですね。

C. M. Verfaillie et al., Nature, 418, 41 (2002).

Natureに掲載された事といい、他の論文に載ったデータを使いまわしていた事といい、Schön の時とよく似ていますね。

池田信夫 blog 論文捏造

多くのピア・レビューが行われたにもかかわらず、同じグラフを複数の実験データで使いまわし、ノイズまでそっくり同じという単純な手口が見抜けなかったのは、ベル研の権威をだれもが信じていたためらしい。


Schön の件はちょうど2002年に話題になっていましたので、騒ぎの最中に新たな誤報が掲載されていたことになります。残念なことです。


さて、今回の件に当てはまるかどうかは分かりませんが、ちょうど良い機会なので前から思っていたことを書いてみます。意図的な論文捏造のニュースを見ていつも不思議に思うのが、「なぜ捏造しようと考えたのか」、ということです。自然科学分野では、再現実験が可能であることが非常に多いので、捏造がバレてしまう可能性は十分にある、というか長期的に見ればほぼ確実にバレると言えるわけです。それなのになぜ捏造データを使おうと思うのか、私にはさっぱり分かりません。

「実験する暇がないけど、実際に実験したらこのデータが出るはず」 との予測のもとに、「とりあえず他人に先を越される前に捏造データで論文を出しておいて、後でゆっくり実験しよう」 と考える人はいるのかもしれませんが、これは私にはとても真似できません。実際に研究を行ってきて、「こんなデータが出るはず」 との予測を (良い意味でも悪い意味でも) 何度となく裏切られてきた私としては、予測をもとに論文を書くなんて恐ろしくてとてもできたものじゃありません。

私なぞ比較にならないような天才たちの中には、「予測を外したことなど皆無だ」 と言い切る人がいるのでしょうか。そうでもなければ、「捏造しよう」 等という考えが出てくるはずがないと思うのですが……。

それとも、「生きているうちにばれなきゃ良い」 と考えているんでしょうか。しかし、メンデルミリカン実験データが作為的であったと疑われていることが未だに話題となり続けている様を見ていると、死んでからも批判され続けるような真似はしたくないなあ、と個人的には思うのですが、捏造する人達はそうでもないのでしょうか。まあ、悲しいことに私も含めほとんどの研究者は彼らのような大科学者と肩を並べられる確率なんてほぼ0なので、気にする必要はないのかもしれませんね。

……って、書いてる端からこんなニュースが飛び込んできました。なんだかなあ。

【捏造】大阪府立大院生が論文データを捏造

大阪府立大は27日、大学院工学研究科の男子大学院生(修士2年)が、応
用物理学会英文誌に発表した半導体に関する論文のデータを捏造(ねつぞう)
したと発表した。同学会に謝罪するとともに、論文の取り下げと、学会の奨励
賞の返上を申請した。学内に調査委員会を設置し、担当教授らの指導など研究
体制のあり方などについても調べる。



というわけで、まとまっていませんが本日はこれにて。あ、「ばれなきゃやって良いのか?」 とかいう言いがかりはお断りします。そんなこと書いておりませんので、よろしく。
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